トランクルームに住むのは御法度!滞在できるトランクルームはある?NGの理由や代替案

赤いトランクルーム

荷物を保管できる目的で作られたトランクルームは、非常に便利な倉庫です。

部屋を借りるよりも安いので、仕事部屋や住居として住むことを考える人もいるでしょう。

この記事では、トランクルームに住むことができるのかという疑問への答えと、滞在型トランクルームをご紹介します。

この記事を通して、トランクルームの正しい理解や快適に利用する方法などがわかりますので、ぜひ参考にしてください。

結論、トランクルームに住むことはできない

結論、トランクルームに住むことはできない

平均3,000円から利用でき、趣味のコレクションなどを収納できる便利なトランクルーム。

まず結論として、トランクルームに人が住むことはできません。

とはいえ、さまざまな事情でトランクルームに住む人もいるようです。

2019年9月に日刊SPA!に投稿された「年収100万円台の衝撃。トランクルーム1畳半に住む40代に聞いた」という記事は、一時期SNSを中心に拡散され、読む人々に衝撃を与えました。

記事には、利用料金の安さや仕事の関係で、やむを得ず住んでいる男性が紹介されています。

息を潜めながら到底人が住める環境ではないトランクルームに住むのは、想像をはるかに超えて大変です。

結局男性は、契約違反でトランクルームから撤去されることになりました。

では、なぜトランクルームには住むことができないのでしょうか。

次の章で詳しく解説しますので、参考にしてください。

トランクルームには住めない理由

トランクルームには住めない理由

トランクルームに住めない理由は以下の通りです。

  • そもそも違法であるから
  • 住民票を移せないから
  • 規約で禁止されているから
  • 住むための設備が無いから
  • 危険であるから

契約上禁止されているだけでなく、人体にも悪影響を及ぼしかねない環境も理由に挙げられます。

荷物を保管するための場所であるトランクルームは、基本的に人が住めるような構造になっていないのです。

そもそも違法であるから

トランクルームは「倉庫業法」という法律で定められています。

倉庫業法 第二条第三項
この法律で「トランクルーム」とは、その全部又は一部を寄託を受けた個人(事業として又は事業のために寄託契約の当事者となる場合におけるものを除く。以下「消費者」という。)の物品の保管の用に供する倉庫をいう。

引用元:e-Gov法令検索

トランクルームは、荷物を預かったり収納スペースを貸したりするサービスです。

そのため、人が住む目的で運営されていません。

仮にトランクルームに住んでいることが発覚すると、倉庫業法違反となって運営会社が罰せられます。

そうなると、トランクルームの運営会社からあなたに対して違約金の支払いや損害賠償を請求される可能性があるのです。

「1日だけだから…。」「ほんの短い期間だから…。」と安易に考えるのは危険です。

トランクルームに寝泊まりするのは違法であることを十分に理解し、注意しましょう。

住民票を移せないから

人が住む目的で運営されていないトランクルームは、住居扱いになりません。

そのため、住民票を移せないのです。

住民票とは

住民の居住関係を公に証明するもの。さまざまな行政サービス(国民健康保険や国民年金、選挙の投票所の決定など)を受けるときに必要。

仮にあなたが、市役所に行ってトランクルームのある住所に住民票を移そうとします。

すると役所の担当者は、トランクルームのある住所が法律上住める場所かチェックするでしょう。

住居扱いにならないトランクルームは、法律上住める場所ではないと判断され、住民票を移せなくなります。

そして住民票を移せないので「住所不定」となってしまうのです。

「住所不定」になると、生活していく上で以下のようなリスクが考えられます。

  • 行政サービスを受けられない
  • 就職が困難になる
  • 身分証明書が必要なさまざまな手続きが難しい
  • 郵便物が受け取れない
  • 健康保険証が作れないので病院に行きにくくなる

このように住所不定となってしまうとさまざまなリスクがあるため、安易な考えで住民票を移すのはやめた方が無難です。

規約で禁止されているから

一般的にトランクルームを利用する際の契約書には、人の寝泊まりを禁止する項目が記載されています。

というのも前述の通り、住居として利用するトランクルームは違反行為にあたるからです。

もし人が住んでいると、倉庫業法によりトランクルームの管理会社が罰せられます。

そうすると、利用者は即刻退去だけでなく違約金の支払いを求められるケースもあるのです。

具体的には、以下のような項目がトランクルームで禁止されていることが多いです。

  1. トランクルームに居住する
  2. 預けられないものを持ち込む
    • 現金
    • 貴金属
    • 発火性を有するもの
    • 銃刀法に違反するもの
    • 保存に適さない食品や飲料
    • 動植物
    • 遺骨や遺灰
  3. 壁にネジやクギを打って棚などを作る
  4. 近隣に迷惑をかける
  5. 騒音や振動を起こす(楽器演奏など)
  6. トランクルーム内の飲食
  7. トランクルーム施設内の設備機器の使用

など

騒音や振動、食べ物の腐敗臭やゴミ捨てによる害虫の発生など、近隣住民やほかのトランクルーム利用者への迷惑行為が主な禁止事項です。

しかし、やはりトランクルームに住むことを一番の禁止事項としています。

また、「ちょっと壁に棚を作りたい…」と思って壁にクギやネジを打つ行為も運営会社によってはNG対象に。

そのため、事前に契約書をよくチェックしておくことをオススメします。

住むための設備が無いから

そもそも、トランクルームには人が住めるような環境も設備もありません。

荷物を保管するための場所なので冷暖房や空調設備はもちろん、コンセントや照明、トイレなども一切ないのです。

中には、保管している荷物が劣化しないように空調完備のサービスもあります。

しかし、基本的に人が快適に住めるような環境ではなく、あくまで荷物保管の空間なのです。

冒頭でご紹介した日刊SPA!の記事内には、以下のように書いてあります。

窓がない密閉空間で、24時間電気はついている。携帯電話がなければ昼か夜かもわからない。カビとホコリの混じった臭いも酷く、とても人が住める環境じゃない。エアコンもないので夏場は蒸し風呂状態。

引用元:日刊SPA!

とくに屋外型のトランクルームは、非常に分厚い鉄骨材で作られているため、外気温がダイレクトに室内に伝わります。

屋内型のトランクルームは、ある程度の断熱材や換気設備が整っているものの、窓もない部屋ですので、人間らしい生活ができるとは言い難いでしょう。

トランクルームはあくまで「荷物を保管するための場所」と認識した方が無難です。

危険であるから

トランクルームでの生活は、非常に危険です。

というのも、以下のようにセキュリティ上の問題や災害時のリスクが高いからです。

  • 内側から鍵がかけられない
  • 災害発生時の消火設備がない、逃げ場を失うこともある

トランクルームの施錠は基本的に外から行う構造で、内側から鍵をかけられません。

そのため、外部からの侵入に弱く、夜間や就寝時に不審者が入ってくる危険性もあります。

また、火事や地震などの災害が発生したときも、命のリスクが高いと言えるでしょう。

上の口コミの人は、搬入・搬出作業時に火災が発生した場合の避難経路をしっかり確認した方が良い、とコメントしています。

トランクルームには基本的に窓がないため、火災のときに煙を吸ってしまう危険性が高いからです。

また、地震などで物が倒壊したとき、安全な場所まで避難する経路が絶たれてしまうかもしれません。

このようにトランクルームは、セキュリティの面や防災の観点からも、人が住む場所ではないのです。

トランクルームの滞在はどこまで許される?

トランクルームの滞在はどこまで許される?

トランクルームの滞在は、各サービスの規約やルールによります。

一般的には、荷物の出し入れにかかる2〜3時間が目安です。

屋外型のトランクルームは常駐スタッフがいる訳では無いので、多少の滞在は許容範囲かもしれません。

しかし、屋内型の場合、常駐スタッフや巡回警備員がいるので、長めの滞在は難しいでしょう。

各サービスの規約やルールによる

多くの運営会社が、長時間の滞在を禁止する旨を契約内容に記載しています。

例えば加瀬のレンタルボックス(加瀬倉庫)の公式サイトには以下のように記載されていました。

Q:倉庫内で作業をしても良いですか?

A:荷物の出し入れに伴う作業以外はご遠慮いただいております。

引用元:加瀬のレンタルボックス

またハローストレージの規約にも「レンタルボックス内外のスペースならびに敷地内において宿泊、滞在、飲酒、飲食、その他物品類の収納・搬出以外の行為をすること」と規約に記載されていました。

このように、多くの運営会社が長時間の滞在を禁止しているのです。

一方で、滞在を目的とした滞在型トランクルームもあります。

詳しくは「滞在できるトランクルームサービスもある」で解説しているので、参考にしてください。

一般的には荷物の出し入れにかかる2〜3時間が目安

トランクルームでは、長時間の滞在を目的とした利用はNGです。

ただ、搬入・搬出の出し入れにかかる2〜3時間なら、許容範囲として許される時間と言えるでしょう。

というのも、トランクルームの荷物を搬入・搬出する作業は、数分で終わってしまう場合もあれば、大型の家具など数時間かかるケースもあるからです。

実際にどれくらいの滞在時間が許されるのか、関東や東海、九州を中心にトランクルームサービスを展開している「ドッとあ〜るコンテナ」に電話で問い合わせてみました。

すると、以下のような回答がありました。

大型家具などを搬入・搬出する目的であるならば、数時間程度は問題ありません。

このように、滞在を目的としない数時間であれば問題ないと言えます。

しかし、各運営会社によって規約やルールが違いますので、契約前によく確認しておきましょう。

滞在できるトランクルームサービスもある

滞在できるトランクルームサービスもある

トランクルームに人が住むことはできません。

しかし、中には以下の形で滞在が可能なトランクルームもあります。

  • 仕事部屋や趣味部屋として滞在できる
  • トイレ付き・シャワー付きのものもある

このような滞在型のトランクルームが増えてきた背景には、趣味の多様化が広がったことやコロナ禍での在宅ワーク増加も一因にあります。

仕事部屋や趣味部屋として滞在できる

「U-SPACE(ユースペース)」は、三協フロンティアが運営しているトランクルーム。

全国200カ所以上の店舗を展開しています。

そのうちの1つ水戸赤塚店は、仕事部屋や趣味の部屋として滞在できるサービスを提供中です。

サービス名内容月額賃料広さ備考
ワークスペース・趣味の道具や収納物を整理できる
・ちょっとした作業場として利用可能
月額賃料に+1,000円9.2畳利用者同士の共有スペース
隠れ家ルーム・自室のように過ごせる
・コレクションや趣味と過ごせる
・勉強部屋としても利用可能
17,900円1.9畳長時間の滞在は禁止
※寝泊まりするなど
電源付きルーム・電源(AC100V)付き
・照明や掃除機も使える
16,200円1.6畳最大容量は1500W

公式サイトを見ると、まさに自分だけの趣味の部屋を満喫できるサービスというのがわかります。

施設内はアロマの香りやリラックスできるBGMが流れていて、居心地良く滞在できることでしょう。

トイレ付き・シャワー付きのものもある

2004年に誕生した「ライゼホビー」は、関西中心のトランクルーム運営会社。

1階はガレージ兼倉庫、2階にはメゾネットやロフトなどのフリースペースとして利用できるサービスを展開中です。

2階のフローリングの部屋は、トイレやエアコン、洗い場が完備されています。

デメリットは、約27.6畳(41㎡)の広さで月95,150円と少々高めの値段設定であること。

しかし、トイレやエアコンなど快適に滞在できる設備が整っているのは魅力的ですね。

また、株式会社 Vecchioが運営している「トランクルーム&レンタルスペース」は、シャワー室やトイレが完備されています。

たとえばランニングが趣味な人は、通勤前にランニングして走り終わった後は汗をシャワー室で流すことも可能です。

スーツをトランクルームに保管していれば、家に帰宅することなくトランクルーム内で着替えて出勤できますね。

滞在型のトランクルームとして利用するなら、トイレやシャワーがついているタイプのトランクルームは非常に便利です。

どうしてもお金をかけずに寝泊まりしたいなら

どうしてもお金をかけずに寝泊まりしたいなら

どうしてもお金をかけずに宿泊したい場合、格安のマンスリーマンションや宿、ネットカフェで寝泊まりしたほうが現実的と言えます。

以下に、東京都内のマンスリーマンションの一例を表にまとめました。

項目高田馬場EASTステイ武蔵関ステーションフロントブロッサムテラス401
立地東京都新宿区東京都練馬区関町東京都墨田区
間取り(面積)1K~(20.58m²~)1K~(20.4m²~)1LDK(40m²)
設備・インターネット対応
・バストイレ別
・オートロック
・エアコン
・クローゼット
・フローリング
・洗濯機
・宅配BOX
・インターネット対応
・バストイレ別
・オートロック
・エアコン
・クローゼット
・フローリング
・洗濯機
・インターネット対応
・バストイレ別
・エアコン
・クローゼット
・フローリング
・洗濯機
・洗面所独立
費用
※日ごとと、月ごと
・7,000円
・210,000円
・6,200円
・186,000円
・4,900円
・147,000円

マンスリーマンションの費用を見ると、1日5,000円前後かかることがわかります。

しかし、水道や電気などライフラインが完備されているのは魅力的ですし、トランクルームよりも広さは十分ありますね。

一方、ネットカフェで寝泊まりする場合の料金相場は、一泊1,500円〜3,000円前後です。

大手ネットカフェには、以下のような設備が整っています。

  • コインシャワー
  • ランドリー
  • フード販売機
  • パウダールーム
  • SSD搭載PC
  • 防音個室

 など

マンスリーマンションやネットカフェは、ビジネスホテルやカプセルホテルに比べると安く宿泊できます。

そして、なによりもトランクルームの宿泊に比べれば、非常に人間らしい生活が営めるのです。

トランクルームに住むことに関するよくある質問

トランクルームに住むことに関するよくある質問

トランクルームには住める?

トランクルームに人が住むことはできません。

トランクルームは「倉庫業法」により、人が住む目的で作られていないからです。

また、電気や水道など人間が住むためのインフラ設備もありません。

火災や地震発生時には、防災面でリスクが高い場所でもあります。

トランクルームはあくまで荷物の保管場所なので、人が住むことはできない構造なのです。

トランクルームに住んでいる人を見つけたらどうする?

もし、トランクルームに住んでいる人を見つけたり、そのような形跡を見つけたりしたら、まずは常駐スタッフや運営会社に連絡しましょう。

直接本人に注意すると、場合によってはトラブルに巻き込まれてしまう可能性があります。

スタッフや運営会社に連絡すれば、会社側で調べて対処してくれるでしょう。

トランクルームは荷物を保管する場所で住む場所ではない

トランクルームは荷物を保管する場所で住む場所ではない

この記事ではトランクルームに住むことができない理由や滞在時間の目安、滞在できるサービスなどについて解説しました。

この記事のポイント
  • トランクルームは倉庫業法により住むことができない
  • トランクルームは人が住むための設備がない
  • 滞在時間は搬入・搬出の数時間が目安となる
  • トイレやシャワー付きの滞在型トランクルームもある
  • マンスリーマンションやネットカフェでも安く宿泊できる

トランクルームは、周囲に気を使わずに収納したいコレクションや趣味の道具などを保管できる便利なサービスです。

しかし環境面や設備面で人が住める場所ではありません。

ぜひ、ご自分のライフスタイルに合ったトランクルームを選び、あなたの大事なコレクションを保管しつつ、豊かな毎日を過ごしてくださいね。

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トランクルームマニア編集部
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